内定が出たら、退職はいつ・どの順番で切り出す?円満に辞める時系列

転職先から内定をもらいました。うれしい反面、「今の会社にいつ、どう言えばいいのか」で頭がいっぱいです。
内定が出てからの動き方には、崩さないほうがいい順番があります。順番を守れば、円満退職と入社日の確保、両方が実現しやすくなります。
内定通知を受け取った瞬間から、あなたには「いつ、何を、どの順番でやるか」という新しい課題が生まれます。焦って先走ると、入社日の調整で揉めたり、退職交渉が長引いたりすることもあります。この記事では、内定が出た後の動き方を時系列で整理します。
まず確認する:内定通知の中身と「入社日」
内定の連絡を受けたら、退職の話を切り出す前に、まず内定通知書(オファーレター)の内容を確認しましょう。特に重要なのは入社日です。多くの企業では、内定通知の段階で「◯月◯日入社」という希望日を提示してきますが、これは調整可能なケースも多いとされています。
在職中に転職する場合、内定から入社までは1〜2ヶ月程度の期間を見込むのが一般的とされています。これは、現職での引き継ぎと有給消化の期間を考慮したものです。焦って即答せず、「現職の引き継ぎ状況を踏まえて、入社日をご相談させてください」と伝えるのは、転職活動において一般的な対応です。
ここだけは押さえる
- 内定通知を受けたら、まず入社日の調整余地を確認する。
- 退職の意思は、内定を承諾する意思が固まってから伝えるのが基本。
- 入社日から逆算して、退職交渉・引き継ぎ・有給消化のスケジュールを組み立てる。
「内定」と「内々定」の違いを整理しておく
新卒採用の文脈では特に、「内々定」と「内定」の違いが問題になることがあります。厚生労働省の資料でも、採用内定の段階で労働契約が成立していると判断される場合があるという考え方が示されています(厚生労働省「採用内定時に労働契約が成立する場合の労働条件明示について」)。中途採用の場合も、正式な内定通知(オファーレター)と労働条件通知書を受け取った段階で、契約成立に近い状態と考えられるのが一般的です。口頭やメールでの「内々定」の連絡だけでは、条件が確定していないこともあるため、正式な書面を受け取ってから現職への退職交渉に進むのが安全です。
編集部の判断: 迷ったら「正式な書面が来るまでは現職に一切伝えない」を徹底してください。口頭の内々定段階で現職に話してしまうと、後で条件面の行き違いがあったときに引き返しにくくなります。
内定後、退職を切り出すまでの時系列
順番を整理すると、次のようになります。
内定通知書・労働条件通知書を受け取り、内容を確認する。 給与・入社日・役職などの条件に納得できるかをここで見極める。
内定を承諾する(正式回答)。 承諾後に取り消すのは、信頼関係の観点からも避けたい。ここまでは現職には伝えない。
入社日から逆算して、退職交渉のスケジュールを組む。 引き継ぎ期間・有給消化日数を踏まえ、いつまでに現職に伝えるべきかを決める。
現職の直属の上司に、退職の意思を伝える。 同僚や人事に先に話すのはNG。まず上司に伝えるのが基本の順番。
退職日・有給消化・引き継ぎを相談し、合意する。 ここで内定先の入社日と、現職の退職日にズレがないかを最終確認する。
合意内容を退職届として書面で提出し、引き継ぎを進める。 口頭合意だけで終わらせず、書面で確定させておくと後のトラブルを防げる。
この時系列を、実際の日付に置き換えて確認したい方は、逆算シミュレーターを使ってみてください。内定先から提示された入社日と、就業規則の申し出期限・残っている有給・引き継ぎに必要な期間を入れると、「いつまでに上司へ切り出せばよいか」の期限日が出ます。
具体的な切り出し方や有給消化の交渉、退職後の手続きについては、別記事で手順を詳しく整理しています。

なぜ「内定承諾が先、退職の意思表示は後」なのか
この順番を崩すと、次のようなリスクがあります。
| ありがちな順番 | 起きやすいこと | 正しい順番 |
|---|---|---|
| 内定前に退職してしまう | 選考が長引いたり内定が出なかったりした場合、無収入の空白期間が生まれるリスクがある | 内定承諾を確認してから退職を切り出す |
| 内定承諾前に現職へ伝える | 内定が取り消される・条件面で折り合わず辞退する可能性がゼロではなく、伝えた後に気まずくなる | 正式な内定承諾を終えてから伝える |
| 退職交渉を後回しにする | 就業規則や引き継ぎの都合で想定より手続きに時間がかかり、内定先の入社日に間に合わなくなることがある | 入社日から逆算して早めに交渉を始める |
編集部の判断: 3つのうち特に取り返しがつきにくいのは「内定前に退職してしまう」です。内定が確定する前に現職を離れると、選考結果によっては空白期間だけが残るため、必ず内定承諾を先に済ませてください。
退職交渉が長引きそうなときの考え方
民法第627条では、期間の定めのない雇用契約は、解約の申入れから2週間を経過すれば終了するという考え方が示されています。
就業規則で「1ヶ月前」「2ヶ月前」と定められていても、法律上はこの規定が優先されるとされています。ただし、円満に進めるためには、この規定を交渉の最終手段として持ちつつ、実際には引き継ぎを考慮した1ヶ月前後の申し出を目指すのが現実的です。
入社日を動かせない場合の対応
内定先の入社日がどうしても動かせず、現職の退職手続きと日程がぶつかる場合は、状況によって取るべき対応が変わります。
現職との交渉に、まだ余地がある場合
まずは入社先に正直に現職の状況を説明して相談し、あわせて現職側では有給消化のタイミングを調整して「最終出社日はA、退職日はB」と分けて考えることをおすすめします。多くの企業は、円満な引き継ぎを重視する求職者を評価する傾向があるとされています。
現職の引き止めが強く、交渉がまったく進まない場合
自分で交渉を続けても状況が変わらない場合は、退職代行のような専門的な手段も選択肢になります。編集部としては、まずは自分での交渉を試みたうえでの最終手段として位置づけることをおすすめします。

なお、この時系列の最後に出てくる「書面で確定させる」段階でつまずく人も多くいます。退職願を出すのか退職届を出すのか、どちらを先にすべきかは退職届と退職願の使い分けで、記入例つきで整理しています。
まとめ
内定が出たあとの動き方は、「内定承諾 → 入社日から逆算 → 現職の上司に伝える → 退職日と有給を合意 → 書面で確定」という順番を守ることが、円満退職と希望の入社日、両方を実現する近道です。焦って現職に先走って伝えるのも、逆に伝えるのを先延ばしにしすぎるのも、どちらもリスクになります。内定という好機を最大限に活かすためにも、順番を意識して動いていきましょう。
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