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転職後、産休・育休・時短勤務はいつから使える?法律の条件を確認する【2026年8月時点】

転職後に産休・育休・時短勤務がいつから使えるかを考える30代女性。眼鏡をかけ、ノートパソコンを抱えて顎に指を当てている
キャリアさん

条件のいい求人が見つかったのですが、転職を迷っています。ここ数年のうちに出産を考えていて、転職してすぐに育休や時短勤務が使えるのか分からないんです。

ランタン君

結論からお伝えすると、産休は勤続年数を問わず使えます。一方で育休や時短勤務は、会社によって「入社1年未満は対象外」となる場合があるなど、制度ごとに条件が違います。ひとつずつ整理していきましょう。

30代で転職を考える女性から多く聞かれるのが、「今転職したら、いざという時に育休や時短勤務が使えなくなるのでは」という不安です。この不安は、産休・育休・時短勤務という3つの制度を混同したまま調べていることが原因になっているケースが少なくありません。この記事では、それぞれの法的な位置づけと、転職前に確認しておきたいポイントを整理します。

この記事は2026年8月時点の法令・公的資料をもとに構成しています。育児・介護休業法は2025年4月・10月にも改正が施行されているため、制度の詳細は必ず最新の厚生労働省の情報でご確認ください。

まず区別する:産休・育休・時短勤務は別の制度

この3つは、根拠となる法律も、勤続年数の条件も異なります。

制度根拠法勤続年数の条件
産休(産前産後休業)労働基準法なし。入社直後でも取得できる
育休(育児休業)育児・介護休業法原則なし(労使協定がある会社では例外あり)
時短勤務(育児短時間勤務)育児・介護休業法原則なし(労使協定がある会社では例外あり)

「育休や時短は勤続1年以上でないと使えない」という情報を見かけることがありますが、これは正確ではありません。次の章から、制度ごとに詳しく見ていきます。

産前産後休業(産休)は勤続年数を問わない権利

産休は労働基準法で定められた権利で、正社員・契約社員・パートといった雇用形態や、入社してからの期間を問わず取得できるとされています。

使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。

使用者は、産後八週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。 出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第65条

産前の休業は「請求した場合」に取得できるもので、産後8週間は原則として就業させてはならない期間です。ただし条文のただし書きのとおり、産後6週間を過ぎた後は、本人が請求し、かつ医師が支障がないと認めた業務であれば就業できるとされています。「産後は必ず8週間休まなければならない」と読み違えている情報も見かけますが、正確にはこの但し書きがあります。

いずれにせよ産休には、育休のように会社側が労使協定で対象者を制限できる仕組みはありません。転職直後の妊娠であっても、産休そのものが取得できなくなることは基本的にないと理解しておいてよいでしょう。

育児休業(育休)は「勤続年数」の条件に注意

産休と違い、育休には条件面で確認しておきたい点があります。

2022年法改正で何が変わったか

以前は、契約社員など有期雇用の労働者が育休を取得するには「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件がありました。この要件は2022年4月の法改正で撤廃され、有期雇用労働者も無期雇用労働者と同様の条件で育休を申し出られるようになったとされています。育児・介護休業法はその後も改正が重ねられており、直近では令和6年改正法が令和7年4月1日から段階的に施行されています(厚生労働省「育児・介護休業法について」に改正資料とパンフレットがまとまっています)。

労使協定で「入社1年未満」を対象外にできる会社もある

ここが誤解されやすい点です。育児・介護休業法そのものには、無期・有期を問わず「勤続1年未満は育休を取得できない」という規定はありません。ただし、会社が労使協定を締結している場合に限り、雇用された期間が1年に満たない労働者を育休の対象から除外できる、という枠組みが現在も残っています。つまり「入社1年未満だから育休が使えない」ケースがあるとすれば、それは法律の一律の規定ではなく、その会社が労使協定でそう定めているかどうかによって決まる、という理解が正確です。

育児休業給付金は別途、雇用保険の加入期間の条件がある

育休が「取得できるか」と、育休中の「育児休業給付金がもらえるか」は別の話です。給付金には雇用保険の加入期間などの条件があるため、転職直後のタイミングでは、給付額や支給要件を事前に確認しておくことをおすすめします。要件は厚生労働省の育児休業等給付についての案内にまとまっています。

ここだけは押さえる

  • 産休は勤続年数を問わず取得できる権利。
  • 育休の法律上の取得要件そのものに「勤続1年以上」は原則ない(2022年改正で有期雇用の要件も緩和)。
  • ただし会社が労使協定を結んでいる場合、「入社1年未満」を育休の対象外にできる例外がある。
  • 育休中の給付金は、雇用保険の加入期間など別の条件で決まる。

育児短時間勤務(時短勤務)が使えるタイミング

対象は3歳未満が原則、2025年法改正で選択肢が広がった

育児短時間勤務は、3歳に満たない子を養育する労働者を対象に、事業主が制度を設けることが義務づけられているとされています。加えて、2025年4月・10月に段階的に施行された改正では、テレワークの活用や、時短勤務以外の柔軟な働き方の選択肢を事業主が用意することも求められるようになったとされています。制度の詳細は、厚生労働省の育児・介護休業法のあらまし(令和7年4月1日・10月1日施行対応版・PDF)で確認するのが確実です。

こちらも「入社1年未満」は労使協定で対象外にできる

時短勤務についても、育休と同じく、労使協定がある会社では「雇用された期間が1年に満たない労働者」を対象外にできる仕組みがあります。転職を検討している場合は、応募先の就業規則や労使協定の有無を確認しておくと安心です。

なお、厚生労働省の令和6年度雇用均等基本調査によると、令和6年度時点で女性の育児休業取得率は86.6%、男性は40.5%とされています。制度としての利用自体は、女性については広く定着していると見てよさそうです。

転職前に確認しておきたいこと

  1. 応募先の就業規則・育児関連の規定を確認する。 面接や内定後の条件確認の場で、育休・時短勤務に関する社内規定の有無を聞いても問題ありません。

  2. 労使協定による除外規定があるか確認する。 「入社1年未満は対象外」の規定があるかどうかは、会社によって異なります。人事担当者に確認するのが確実です。

  3. 育休給付金の条件(雇用保険の加入期間)も合わせて確認する。 転職のタイミングによっては、給付の条件に影響することがあります。

制度の詳細に不安があるときの相談先

会社の説明と法律の内容が食い違う、あるいは制度の運用に疑問を感じる場合は、一人で抱え込まず、労働基準監督署や、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)、厚生労働省の総合労働相談コーナーに相談する方法があります。

面接でどう聞く・どう伝えるか

出産や育児の予定について、面接でどこまで話すべきか迷う人は多いはずです。話すか迷う場合は、無理に予定そのものを伝えるのではなく、「将来的に育児と両立できる働き方を希望している」という形で、働き方の希望として共有する方法もあります。書類の書き方や、ブランクがある場合の伝え方については、こちらの記事で詳しく整理しています。

まとめ

産休・育休・時短勤務は、それぞれ根拠となる法律も条件も異なる制度です。産休は勤続年数を問わず取得でき、育休・時短勤務についても法律上の要件そのものに「勤続1年以上」が課されているわけではありません。ただし、労使協定によって「入社1年未満」を対象外にしている会社があるという点は、転職前に必ず確認しておくべきだと私は考えます。不安なまま転職を先延ばしにするより、応募先に確認すべき点を明確にしたうえで判断する方が、後悔のない選択につながるはずです。

エージェントを使って転職活動を進める場合、働き方の希望をどう伝えるかも合わせて相談できます。エージェントの選び方は、こちらの記事にまとめています。


※本記事は法律・公的機関の公開情報をもとに構成した一般的な情報提供であり、個別の状況を保証するものではありません。制度の適用は会社の就業規則・労使協定によって異なるため、応募先・勤務先に直接ご確認ください。個別の労務トラブルについては、労働基準監督署や社会保険労務士など専門窓口にご相談ください。 ※本記事はアフィリエイトリンクを含みません。

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この記事を書いた人

キャリアランタン編集部

実際に転職・退職を経験した運営者が、自身の実体験と、公的機関の資料・各サービスの公式情報の調査をもとに執筆・確認しています。制度や手続きに関する記述は、可能な限り法令や公的機関の一次情報にあたり、体験に基づく所感と、事実として確認できる情報とを区別して書いています。

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